過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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172:1 [sage]
2016/04/02(土) 00:05:44.94 ID:yglVoTyi0


“こんこん”


その時、外から遠慮がちに窓ガラスを叩く音が聞こえてきた。

そはなんぞとそちらに目を向けると、まるでショーウィンドウのトランペットを眺める黒人少年もかくやと窓ガラスにへばり付く見るからに怪しい人影。


『あんれー、やっぱ、ヒキタニくんじゃね?』


ガラス越しに聴こえる妙にくぐもった声によくよく眼を凝らせば、最新モデルのスマホよりも薄くて軽いことで定評のある俺と同じクラスの戸部である。

…つか、お前、なんでサンタ帽被ったままなんだよ。
もしかしてそのカッコでバイト先からここまで歩いてきたの?いくらクリスマスだからってチャレンジャーすぎだろ。スペースシャトルかよ。


折本「ヒキタニっ?なに、比企谷、友達からヒキタニって呼ばれてんの?ねぇ、超ウケるんだけど」

折本が俺を指してケラケラと笑う。

八幡「…だからウケねーっつの」 それに俺、友達いねーし。

戸部は招かれもしないのに、っべーっべー、さみぃーさみぃーとかなんとか言いながら、ぐるりと回って店内に入ってくる。

入口のカウンターで「あ、すぐに出ますんで」と、慣れた調子で断り真っ直ぐこちらに向かって近づいてきた。

そこにきて初めて同席している折本の存在に気がついたらしく、はたと足を止め、へーんとかほーんとか言いながら、まるで何かを期待するかのような目で俺を見る。

…なにそれもしかして紹介しろってか?

でも正直な話、俺、紹介できるほどお前の事よく知らないんだよな。好きか嫌いかの二択で聞かれても“どうでもいい”と即答しちゃうレベルだし。



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