過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
1- 20
244:1 [sage]
2016/04/05(火) 23:34:57.29 ID:OoENuhyY0

八幡「それに、俺にとって想い出なんてもんは大抵はロクなもんじゃ…」


雪乃「…馬鹿ね」

俺の言葉を遮るようにして雪ノ下がぽしょりと呟く。

八幡「…あ?何がだよ」

お前、馬鹿って言う方が馬鹿だって先生に言われなかった?


雪ノ下は机の上に置かれた読みさしの文庫本を再び手に取り、栞を挟んでいたページをパラリと開く。そして耳元の後れ毛をそっと指先で梳いた。


雪乃「想い出なんて、これからいくらでも作れるじゃない…その…私たち…と…?」///


次第にその語尾が聞き取れないほど小さくなり、窓から差し込む午後の光の加減なのか、彼女の白い頬に赤味がさして見える。

結衣「そうそう、いい想い出も、そうでない想い出も、これからみんなでたっくさん作ろうよ」

由比ヶ浜が、そう言いながら、にぱっと太陽のように明るい笑みを浮かべた。


八幡「…………いや、そうでない方は十分過ぎるくらいだから。もう間に合ってるから」


だが、確かにふたりの言う通りなのだろう。

卒業するまでの短い間とはいえ、これからもこうして、この部室でこいつらと満ち足りた時間が過ごせるというのならば ―――

そして、今のこの関係が、トラウマだらけの俺の過去の延長線上にあるとするならば ―――


もしかしたら、俺の間違いだらけの青春ラブコメも、それほど悪いものではないのかも知れない。





俺ガイルSS 『そして彼と彼女は別々に歩み始める』了





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/596.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice