過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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401:1[sage]
2016/06/08(水) 21:24:42.07 ID:98ty2fIY0

「 ――― 失礼します」


遠慮がちなノックとともに、見慣れない女子生徒が会議室に入ってきた。

とは言っても、会議室は現在のところ文実が専有している状態なので、申請やら相談やらで生徒の出入りも激しく、知らない顔も珍しくない。
だいいち、向うだって俺のことなんて知らないだろうし。

恐らくそのうち誰か顔見知りを見つけてそいつが相手をするだろう。俺はその姿を一瞥しただけですぐにパソコン画面に目を戻した。


女生徒「あのー…」


だが、気が付くとその女子生徒は俺の前に立ち、しかもなぜかピンポイントで俺に向かって話しかけてくる。
返事をする前に一拍置き、念のため前後左右上下360度を見回すが、やはり俺の周りには誰もいない。まぁ、それはいつものことなんですけどね。

いや待て、油断は禁物だ。
珍しく女子に声かけられて緊張のあまり思わず裏返った声で返事しちゃったら残念でした声かけてたのは実は隣のヤツでしたーぷすーくすくすとか、なにそのふと思い出す度に絶叫しながら走り出したくなるような壮絶な黒歴史。


八幡「 …… お、俺?」


念には念を入れ、声に出しながら自分自身を指さし確認。事故防止のためにはやっぱり確認が大切だよね。注意一秒トラウマ一生って言うし。言わねーか。

女生徒「いえ、あの、雪ノ下さんなんですけど…」

八幡「や、俺、雪ノ下さんじゃないんですけど…」

女生徒「それは知ってます」

何がツボにはまったのか、その女生徒がくすくすと小さく笑う。

見知らぬ女子との慣れない会話で俺が一方的にテンパリすぎてるせいか、会話自体は全く噛み合っていないのだが、その悪意のない笑いにつられるようにして自然俺の顔にも笑みが浮かんだ。



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