過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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[sage]
2016/06/11(土) 22:26:11.15 ID:Ck2NnQ0Y0
結衣「 … それに、その … ヒッキーのこと … も … ?」 ゴニョゴニョ
ちろりと俺に視線を送って寄越す気配を感じたが、面映ゆくなった俺は視線をあらぬ方向へと逃がす。
結衣「 … でも、今だって十分楽しいし、ふたりとの関係も大事にしたいから」
俺が頑なまでに変化を拒んでいる間に、由比ヶ浜は少しづつ、だがはっきりと変わろうとしている。
結衣「 … でも、ね、もし、こっから先があるなら … あるとするなら … 」
言葉の先に僅かな期待と不安が入り混じる。それが確たる形を為す前に、胸が急に窮屈なり、逃げ出したくなるような感情に我知らず小さく身を捩る。
結衣「もし、この関係が、いい方向に変われるんだったら…」
俺の肩に、そっと由比ヶ浜の柔らかくて暖かな重みが加わった。
気がつくといつの間にか吹奏楽部の演奏が途絶えている。
結衣「もしゆきのんが、それでもいいって言ってくれるなら…あたし…そ、その…ひ、ヒッキーと…
次第に小さくなってゆくその言葉の続きは、雨の先触れとなる風に揺れる窓ガラスの音で、俺の耳に届かないうちに掻き消されていた。
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