過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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[sage]
2016/11/04(金) 22:06:06.27 ID:gvlfRWeM0
真っすぐ俺を見据える彼女の片方の眉がごく僅かに吊り上がり、その顔には今やお馴染みとなった負けん気の強い色が刷かれる。
八幡「 え、あ、や …… べ、別にそういう意味じゃなくてだな」
いきなりに怪しくなってきた雲行きに、俺は何と答えていいものかわからず、かといってこの状況では恐らく何をどう答えたところで死亡フラグが乱立してしまいそうで返す言葉に詰まってしまう。
雪乃「そう。だったら、まずはあなたのその思い違いから正す必要がありそうね」
雪ノ下は何事か決心したかのようにそう呟くと、
雪乃「比企谷くん? ちょっとだけ耳を貸してもらっていいかしら?」 いきなり奇妙なことを言い出した。
八幡「 …… あん?」
耳を貸すも何も、改めて周囲を見回すまでもなく、一般参加者も帰り大方の撤収作業も終わった今となっては目の届く範囲に人っ子ひとり見当たらない。
こんなひとけのない場所で今更内緒話もないだろうに、とは思いつつ、
雪乃「いいから、さっさとなさい」
何を怒っているのか憮然とした表情で告げる雪ノ下に渋々片耳を差し出すと、
雪乃「そっちじゃなくて反対よ」
八幡「あがっ?!」
今度はむっつりとした顔のまま、脛骨も砕けよとばかりの勢いで無理やり俺の首が逆の方向にひねられた、まさにその瞬間 ―――
偶然にも俺の視界の隅で、文化祭開催期間中は閉鎖されているはずの校舎の屋上に、何やら人影らしきものが動くのが見えた気がした。
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