過去ログ - 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』
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2017/01/03(火) 01:05:21.18 ID:4Wtthf7s0
葉山「 ――― もしかしたら、俺のせいなのかもしれない」
自らの生み落とした沈黙に耐えかねたかのように、葉山が再び口を開く。
海老名「隼人くんのせい?」
八幡「どういうことだ?」
話の続きを促す俺達に、葉山は僅かに逡巡するかのような様子を見せたが、やがて何かしらの覚悟を決めかのように、無音の溜息をひとつ、静かに言葉を継ぎ始めた。
葉山「雪ノ下さんの家と俺の家が懇意にしてるのはもう知ってるね?」
八幡「 …… それは雪ノ下から聞いている。それがどうかしたのか?」
確か親同士が旧知の仲で、葉山の父親は雪ノ下の親父さんの経営する建設会社の顧問弁護士かなんかだったはずだ。
葉山「彼女がキミに言ったのはそれだけかい?」
八幡「それだけって …… どういう意味だよ」
まるで葉山らしからぬ奥歯にものが挟まった様な言い方に焦れた俺は、つい尖りの帯びた口調で訊き返してしまう。
それと同時に、模糊として形を成さないが、酷く嫌な予感めいた何かが次第に胸中を圧迫し始めるのを感じとっていた。
校内マラソン大会の前、雪ノ下は確かに他にも何かいいかけた。しかし、俺はもう充分だと彼女の言葉を遮ってしまったのではなかったか。
それは多分、彼女が告げようとしていた事柄についての胸の悪くなるような自分の予想に反駁するあまり、無意識のうちにそれを否定し、拒んでいたからに他ならない。
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