過去ログ - グリP「これ茜ちゃんが着ていたサンバカーニバルTシャツだよね」
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名無しNIPPER
[sage]
2016/03/15(火) 18:37:25.60 ID:vdX1qarno
「yes yes I'm near near you~ フンフーンフンフーン……」
音が聞こえた、儚くも透き通った鼻歌とカツ・カツと地を鳴らすジューズ。
そのサウンドがうららかなのは劇場の音響効果が故か、否、彼女の心情が関係しているのであろう。言葉では言い表せない温かいもので心が満たされて、それでもって寂しい。小さな鼻歌は美しく響いたが、畳まれた観客シートには到底届かなかった。
彼女は何かを確かめるように左から右へとステージをゆったりと歩み、顔を上げ空席を見回していた。あの席にはオレンジ色のTシャツがあった。あっちの席のお客さんは片手に五本のサイリウムを持っていた、その全てが茜色だった。しっかりと自身のファンをこの目で確認した、全てだ。もちろんそれだけじゃない、本日一緒に出演した他のアイドルたちの熱狂的なファンも、いっぱい見ることができた。……でも、茜ちゃんのソロでは全観客が一様に私のことを応援してくれた。
「茜ちゃんが、この劇場を茜色に染めたんだよね」
視界は自然とまぶたの裏側に貼り付けられた眩しい光景を反芻する、かと思えば白くぼやけて何も見えなくなるのだ。彼女は目をこすり、笑顔で言った。
「今までの歴史が、みんなの努力が続いて茜ちゃんをこのステージに上げてくれた。同じように次のライブに茜ちゃんがバトンをつなげることができたのかな。……そして、また茜ちゃんにバトンが渡ってくればいいなぁ」
「当然、渡ってくるさ。それが絶世の天才美少女茜ちゃんの宿命だよ」
彼女は舞台袖に振り向いた、そこに一つの影があった。薄暗い先にある姿を確認できないが、聴き馴染んだ声でその男がプロデューサーであることを瞬時に理解した。
「プロちゃん……どうしてここにいるの?」
「茜ちゃんこそ、もうライブは終わったぞ」
ステージ中央に立つ彼女に向かって男が歩を進めた。おおよその役目を終えたステージの明かりは、男の風貌を控えめに照らした。くしゃくしゃの笑顔で、右手を振っている。
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