14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/15(火) 01:28:56.38 ID:HDvSvbTV0
「……わかった」
なんとか一言だけ絞り出す。泣く訳には行かないから、限りなく無表情のままで。
「すまん」
謝るなら付き合ってくれと言いたかったが、込み上げてくる涙を堪えるために言葉には出来なかった。
「……帰って」
手で追い払いながら、震える声と共にプロデューサーに帰るよう促す。
何か言いたげな顔であったが、やはり鈍いわけではないプロデューサーはまた一言だけ、すまんと言い残して去ってくれた。
先日、加蓮に問おうとした質問が脳裏をよぎる。店内に誰も居ない事を確認し、先ほどまでプロデューサーが居た空間に問いかける。
「もし、奈緒が居なければ私と付き合ってくれた……?」
とりとめのない質問だ。絶対にありえない質問。もし、奈緒が居なければプロデューサーは私と付き合ってくれたのだろうか。もし、奈緒が居なければプロデューサーは加蓮と付き合っていたのだろうか。
神様でもなんでもないただの人である私には、その答えは見つける事は出来ないだろう。
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