過去ログ - 【凡将伝】どこかの誰かの話【三次創作】
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34:372 ◆vZOyjdZrOo[sagesaga]
2016/03/28(月) 01:20:56.27 ID:vyaMGdnAO

商隊に付いて移動する事一月、遥々交州までやって来た俺は商隊の頭の案内で象を扱う男に面会出来た。

まずは、象を見せて貰ったのだが……


で、でかい。なんだこの生き物は。


遠くからでも、存在感がある巨躯。

近寄れば、見上げないと 全体像が解らない。

俺の視点からは、巨木の丸太のような脚が四本だけ。それに沿って視線を上に持っていくと巨岩のような胴。

顔は胴と遜色ない大きさで、大団扇のような二対の耳を動かし、船繋ぎのような太い縄ほどある長い物を真ん中から伸ばしている。あれが鼻だそうだ。
それを器用に動かして、桶の中の餌を掴んで口に運んでいる。


……確かにこの生き物なら、皆の度胆を抜くだろう。
だが、この生き物の気性はどうなのか?
背中には十人は乗せる事は出来るが、振り落とされたら怪我では済まない気がする。


俺の懸念を察したのか男が何事かを象に指示すると


……俺の身体が宙に浮いた。


ひょい。そんな擬音が聞こえそうな位簡単に俺は象の背中に載せられた。
そしてそのまま象はのしっのしっと歩き始めた。

象の背中にしがみついていた俺だが、振り落とされる気配も無いので恐る恐る体を起こしてみる。
すると、そこには全く見たことも無い景色が見えた。
象の背中から見ると人が小さく見え、視線を正面に向けると遥か先まで良く見える。

……これはなんとも愉快なものだな。

馬に乗る要領で、しっかりと腰を据えた俺は仕事の事も忘れて象の歩みに任せて新鮮な風景を楽しんだ。


……象の鼻で降ろしてもらうと、早速交渉に入る 。
一応予算的な物は予め提示されているが、象商人の提示した金額は充分に 範囲内に収まった。

後は象をどうやって南皮に連れて行くかだが、その点も慣れている商人は 店の裏へ案内してくれた。



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