過去ログ - 【凡将伝】どこかの誰かの話【三次創作】
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398:372 ◆EJqo97Z.fg[sagesaga]
2016/09/16(金) 01:11:10.30 ID:JWw95cGA0
横着サイド


……南皮を出発して幾星霜。

は、大袈裟だが。
それでも、結構な日数を掛けてやっと幽州の入り口にやってきた。

理由は途中の街道が悪路過ぎた。
袁の支配下の街道は、我々の工事で整備されているが、離れた途端にいきなり泥濘に悩まされた。

そもそも、我が愛馬が老馬となり引退の時期を迎えたのと、長男も馬が必要となる世代になったのでこの際。と、袁直轄の牧場に馬を求めに行ったのだが、


「売れる馬が無い?」

「ええ。ほら、軍を増強したでしょう?
あれで、使える馬は全部 軍に持って行かれましてね」

当歳ばかりの子馬と母馬しかいない光景を指差して、

「今のところは、こんな状態なんですよ。
急がないなら、めぼしい奴を今の内に押さえといてもらえれば来年には渡せるんですがね」

申し訳なさそうに話す牧場役人を急かす訳にもいかず、思案の末に、

(幽州の本家の伝手を頼るか。
大事に世話して使えば名馬でなくとも十二分に働いてくれるからな)

という結論の下、長期に南皮を離れるだろうと予測して許可を貰いに行くと、


「幽州にですか?里帰りがてら馬を買いに……!?」

応対した若い文官が理由を知るや、

「横着様、モノは相談なのですが」

頼み事をしてきた。


「実は、私の友人も馬を探してまして。
名を紀霊と言うのですが」

嗚呼。察してしまう自分がいる。

「紀霊様の御乗馬も一緒に求めて欲しい。と?」

「勿論代金は本人に持たせますよ。
候補を見繕って、連れて帰って欲しいのです。
複数でも構いません。
正直、まだ馬が足りないので」


条件付きながら、里帰りがてら馬を買いに行く許可が下りた。




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