過去ログ - 【凡将伝】どこかの誰かの話【三次創作】
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◆e/6HR7WSTU
[sage saga]
2017/02/03(金) 22:24:23.12 ID:EXc9bWgk0
勅が下った以上、臣としては行動に移さざるを得ない訳で。
未だ象に横付けされたまま半分放置状態の櫓へと近付き、あえて力を込めて段を踏みしめる。
……ふむ、どのような人物が利用するか分らない以上丈夫に丁寧に工作するのは賢明だな。
一段目を片足で踏みしめたまま、目で輸送団の頭と思しき商人風の男を呼び寄せる。
そそくさと私のもとにやって来た男。
(あの、何か不都合でも?)
(いや、このままこいつ(象)に乗り込んでもかまわないのか?)
(ええまぁ。こいつ(象)自体は自信を持って安全だと言い切れますし、どうぞそのままお進みを)
男が胸を張って言い切ったので、多少警戒しつつもそれを象に気取られぬよう平常心を心がけながら登っていく。
十数段を上ると、象の背と床の高さが変わらぬ櫓の天辺に着いた。
静かに進むと象の大きさに合わせて誂えたらしい鞍が並んでいる。
躊躇う事無く首の付け根と思われるあたりの鞍にそっと横座るように座り込む。
下から視線を感じたので見下ろすと、世話役的な男が馬で言えば引き綱のような物を片手で握ったままこちらをじっと見上げている。
つい、馬上指揮のクセで片手を挙げると、動物が動き出す独特の揺れと共に象が足を前に踏み出しはじめた。
SIDE地上
……象の大きさに思ったことは違えども驚いている皇帝以下の面々。
象が横着を乗せて一歩を踏み出すと、
「「「「「「「「「お!?おおおおおおおおお!!」」」」」」」」
異口同音にどよめきが揚がった。
玉体の安全の為に。と、象より距離を置いて眺めている皇帝やその一家だが、離れてもその巨躯は圧倒的な存在感でこの場を支配している。
「でかいの」
思わず。といった風に呟いた皇帝の発言を耳聡く拾った何進。
「真に」
冷静に象の挙動を観察しながらも返事をする。
「都水長史が置物のようだな」
「然り。で御座いますな」
なおも歩み続ける象を目で追いながら、
「大将軍なら、あれをどう使う?」
為政者、否軍の統帥者としての顔で何進に問い掛ける。
(……喰えぬお方だ)
内心ともかく、それを表情に出さず。
「使う事は無理で御座いましょう。まず数を揃えなければ単なる的で御座いますし、大体あのような化け物我らで御しきれる筈も御座いませぬ」
冷静に指摘する。
「ふむ。朕が勅でもか?」
「応じる州牧、太守はおりましょう。しかして集めたあの化け物をどう養いまする?」
「朕が牧を適当な地に作れば良い。下問したところ馬とあまり変わらぬ餌で飼えるそうだが?」
「身体が違いすぎまする。金は餌にも付いて回りまする」
「ぬぅ。都水長史と違って大将軍は朕の考えを頭から諌めるのか。まだ都水長史の方が少しは考えるぞ」
……ぶちっ。
(あの田舎九卿。一回締めてやる。飾りの皇帝を調子乗らせやがって)
妙なところで敵を作ったとも知らない横着である。
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