過去ログ - 【凡将伝】どこかの誰かの話【三次創作】
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852:俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU[sage saga]
2017/10/22(日) 01:45:15.10 ID:Dbyvgjqq0
ここまで来たら結果待ちなので、続き投下。>>825より

☆☆☆

「で、これが『ある点に置いて特化した』者達、なのかしら?」
怪訝、いや不審な表情の曹操様。無理もないなんせ平服の最低限の武装しかしていない男女が十数人、曹操様の目の前に並んでいるのだから。
「左様です。武はともかく文に関しては文官としての基本は出来ておりますし、読み書き計算もそれなりに」
「となると、物資の員数合わせや勘定。高札の清書や日常の報告書位は出来ると?」
首肯する私に、曹操様に同行してきた軍師殿、もとい荀ケ殿が質問する。
「へぇ、随分と教育には熱心なのね。どう見ても普通の庶人の女なのにね」
「まさか。この者達は皆、南皮横家から暇(いとま)をもらってやって来た者達です。私の『元配下』ですな」
感想を述べられる曹操様に、私が種を明かす。
「待ちなさい。つまり袁の重臣達は皆これだけの教育を受けさせている訳なの?」
「他の家は存じませぬが、うち(横家)に関しては小間使いに至るまで最低限の読み書き計算は仕込んであります。そうでないと、一朝有事の際に困ります」
「どういうこと、なのかしら?」
「そのままの意味です。横家は工兵輜重の役割を担っております、故に必要な物資を必要な数だけ揃えて内容も記して送らないと前線が困ります」
「だからって、たかが下人にまでそのような事」
「下人も立派な戦力です。大後方で荷の積み込み、数勘定、その他諸々。動く者がそれを同時にこなせれば、送り出す速さが上がります」
荀ケ殿の疑問に私が答え、説明を求める曹操様に説明していると、更に荀ケ殿が疑義を示したので具体的に理由を再度説明する。

「問題は、この者達がどの層にいて何をやってきたか。ね」
実力について疑問を示す曹操様。それはそうだろう、こっちの話だけで貴重な財を拠出できないわな。
「なら、試されれば良いかと」


「何、これ。有り得ないわ」
とりあえず、機密ではない物の処理を任せてみると正直紙と竹の山脈だった物が時間をさほどかけずに仕分けられ、更に追加で内容の報告を文で求められたが
それもかかる時間の差が多少あった位で全て終わった。
その結果を見ての、荀ケ殿の発言である。
「そうね、官吏としての文の実力は充分。これなら私達が瑣事に手を取られず重要な事だけに判断を集中できるわね」
「ならば、曰く付きの私めは暇を」「駄目。武の方がまだよ?そうね、うち(曹軍)には許褚という次がいるのだけど、あの娘が一人前になるまで春蘭はそっちに注力させたいから……
やっぱり、武官としても実力のある誰かさんは抜けられないわね」
待った、待ってくれ。俺を飼っていることで曹家に本当に迷惑がかかる。断言してもいい。
「へぇ、誰かは知らないけど主君やあの怨将軍と結構深い繋がりのあるこの曹孟徳に何かすると?面白いわね」
「いやそんな、こちらとしては本気で危惧しているのですが」
「あら、それは向こうも同じよ。曹軍の将にどのような理由であれ害を為すなら、それはこの曹孟徳に喧嘩を売るのと同義。まさか私怨の為に袁家と曹の間に
戦を引き起こす馬鹿なことを考える臣揃いなの?袁家は」
「相手の出方次第、なのですが。多分搦手を使ってくるか直接私のみを狙ってくるか。その際に曹操様の部下である事をも利用してくるのは十二分に警戒しても、し足りない位です」
「そう、なら貴方はさっさと一騎当百の将を連れてらっしゃい。自由になるための手数料と思えば、身も入るでしょ?」


……無いとは言わんが、うちの連中くせ者揃いだからなぁ。果たして御気に召していただけますかねぇ。







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