過去ログ - 【凡将伝】どこかの誰かの話【三次創作】
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俯瞰者
◆e/6HR7WSTU
[sage saga]
2018/07/04(水) 21:26:15.61 ID:/J6PuXlG0
コミカル(になるとは言っていない)な夏候惇と横着
「横着ー付き合えー」
ばんっ、と扉を開け遠慮会釈無しに入ってくるのは、夏候惇殿。
荀ケ殿……
>>990
の後何故かしこたま真顔で説教された……から回ってきた書類を黙々と捌いていたが、夏候惇殿の声に顔を上げて、
「付き合え。とはどこかへ行かれるのですか?」
一応確認してみる。夏候惇殿の返事は、
「鍛練だ鍛練。貴様も最近文官ばかりで腕が鈍っていそうだからな」
(今朝も結構厳しめに鍛練しましたが。それに文官仕事もやっておかないと夏侯淵殿や荀ケ殿が身動き取れなくなるのですが)
長年一家の長をやっていたので、この手の仕事を疎かにすると突発的事態、特に金銭的なモノに対応できないのは自身で経験している。
袁の有力武家なら専門の副官が助けてくれるが、うちは妻や心得のある連中の手を借りてどうにかしのいでいたからな。
というか、いざという時に己を知ることが出来ないなぞという怖い事態を将兵に背負わせたくない。
「大体だ、この私の一撃を涼しい顔して受けられる貴様がこんな所で辛気臭い事をしているよりもっと武の力を磨くほうが良い!」
(あの、それはちょっと)
背後というか上司たる荀ケ殿がおられる場所から、怒りの瘴気がフシャーキシャーと噴き上がるのをひしひしと感じたので、
「ま、まぁ御伴致しますので、まずはここから出ましょう。そうしましょう」
瘴気大噴火中の荀ケ殿に非礼を承知で会釈だけすると、夏候惇殿の背中を押すようにしながら私も退出した。
「というかだな、春蘭。武官の筆頭たる貴女が軍関係の書類をさわらないのはどうかと思う」
夏候惇殿と二人になったを幸い、真名で彼女に友人として注意する。
「そう言うがな俱直、貴様がやってくれているから私はこうやって武に専念するのだ。何も筆頭が書類仕事なぞする必要もなかろう?」
そう言い放つとからからと笑う春蘭。だが、近い将来私がいなくなることに彼女は気づいているのか。
「春蘭。私は都に召喚されている身だぞ。ここにいられるのもそう長くはない、その後どうするんだ?」
「なぬ!?」
硬直する春蘭。というか、許将軍様が曹操様に挨拶した時に貴女もいたろうに。
「ではこれからの書類は誰がやればよいのだ!」
「だからそれを春蘭がやれば良い。鍛練と思えば良いのだ」
「しかし私は頭を使うことはとことん不得手だぞ?」
「いや頭を使うのでは無い。頭の中を鍛練するのだ」
「どういう事だ?」
「春蘭も私も鍛練と戦場の経験で今の自分がある。ならば頭の鍛練も出来るだろう?初心者だが努力出来る春蘭なら、荀ケ殿と十二分に渡り合える存在になれるな」
「しかし、私は読み書き計算位しか出来んぞ」
「基礎はあるじゃないか。なら筋力を上積みするだけだな、頭の筋力を上げるのなら経験をひたすら積む事が早道だ」
「よし、ならばやってみるか。華琳様の前で桂花を倒せる位鍛えぬいてみせるぞ」
「だが、それはそれとして。武の技も磨かんとな。倶直、付き合え」
……結局こうなるのか。
途中私が与えられた部屋に寄って得物を取ってくると、再度合流して鍛練に使う場所へ二人で向かう。
得物を振るいながら体をほぐす私を見て春蘭が、
「前から思っていたが、その棒只の棍では無いな?」
そう聞いてくる。私は体をほぐす動きを止めて、
「ほら」
春蘭に得物を渡す。受け取った春蘭は見掛けより重い事に気付いたようで、
「倶直、中に何か仕込んでいるな。樫にしては重過ぎる。何だ?」
「それは言えんな、将来ひょっとしたら春蘭と敵味方になる可能性もあるからな」
そう勿体ぶって見せるが、実際は細い鉄の棒を束ねているだけだったりする。
双方身体もほぐれたので、得物を構えていざ。と呼吸を合わせようとしたその時、
「春蘭様、私も入れてくださいっ」
横合いから掛けられる声。私にとっては最悪の状況である。なぜなら、
「おお許緒か。構わん、鍛えてやろう」
……私は構いますが。そう内心で拒否するが、お構いなしに鉄球がまず飛んでくる。得物で受け流すと、次は大剣の鋭い斬撃。
得物で受けるとそこを狙って鉄球が。必死で大剣を弾いて鉄球から身を躱すが今度は大剣の連撃。
正直、矢や礫、暗器のような小さいモノなら逆に捌きながら肉薄出来るが、結構な質量がある鉄球だと捌くのに隙が出来て早い連撃には対応しづらい。
かといって、戦場ではないから何でもありをするわけにもいかない。それをやると、制御が利かずに本気で殺しに行きかねない。
必死で捌く内に今度は体力が危なくなってきた。
……かくなる上は。
「戦略的撤退!」
「こら!待て!勝負しろ!」
「横着さん!ずるいですよ!」
必死で逃げ回る私と追いかける二人、という結末が待っていた。というか、許緒殿が参加するといつもこうなる。
……若さには、勝てん。齢、だなぁ。トホホ。
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