1: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:54:49.20 ID:BYtLb+hwO
私は、暗い暗い海の底に、ずっといる。
二回目の生を受けた。
人間と兵器の中間みたいな良く分からない、曖昧な存在で最初は少し戸惑ったけれど、一緒の海域で沈んだ仲間や姉妹と再会出来たのは奇跡だと思っていた。
それにバカだけど明るくて、必死に最善の方法を考えてくれている司令官もいる。
司令官はちょっとベタベタし過ぎな気もするけれど、頭を撫でてくれた時、抱き締めてくれた時、内心とても心地好い気分になれた。
そしてその気持ちが『好き』になるのも遅くはなかった。
『幸せだ』――でも……でも。
気付いてしまった。
いや――『思い出してしまった』
『第八駆逐隊』『第二四駆逐隊』『西村艦隊』――
私の所属した艦隊はその全てが悉く壊滅した。
まるで私が死神の様に、あっさりと、仲間が次々死んでいった。
――大事なものを、何一つ守る事が出来なかった。
自分が弱かったから、自分が未熟だったから。
だから、司令官を大切な人にしてしまったら、これ以上私の中での存在が大きくなったら。
あの時の仲間達の様に、消えてしまいそうで。
だからもう、大切な何かなんて要らない。
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2: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:56:28.28 ID:BYtLb+hwO
提督「霞ー……」
霞「何よグダッと机に突っ伏して。らしくないわね」
提督「……満潮にフラれた」
3: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:57:03.31 ID:BYtLb+hwO
提督「それにぼのぼのが一番だけど、霞を蔑ろにした事無いし、何人増えても平等に接するから問題ない!」
霞「まあ、否定はしないわ」
霞(これで意外と誠実で、妙な説得力があるから尚更ハーレムも否定しづらいのよね……)
4: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:58:40.29 ID:BYtLb+hwO
提督「……いつもありがとな」
満潮「な、何よ急に!」
提督「俺一人の力じゃあ他の駆逐艦をあそこまで強く育てられなかったからな」
5: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:59:25.38 ID:BYtLb+hwO
提督「ス、スマン!」
満潮「…………ちょっと、何でアンタが謝るのよ?」
提督「いや……かなり苦そうな顔したから。そこまでなんて思わなくてな……」
6: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/15(火) 23:59:58.79 ID:BYtLb+hwO
霞「まあ姉妹だし、何より私に性格似てるから何となく分かっちゃうのよね……」
提督「そうか……つまりは断らざるお得なかった何かがある訳、か」
霞「こればっかりは姉妹の私でもちょっと……」
7: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/16(水) 00:00:29.27 ID:kCnyqpJwO
曙「クソ提督ー、帰ったわよー」
提督「お、ぼのぼの。お帰り、合同作戦どうだったよ?」
曙「初めて組んだ艦隊の割には中々機能したわよ」
8: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/16(水) 00:01:18.75 ID:kCnyqpJwO
霞「話が脱線してるわよ」
提督「んお、スマンスマン」
曙「何か話してたの?」
9: ◆CwdNN/yHvU
2016/03/16(水) 00:01:59.61 ID:kCnyqpJwO
曙「分かったわよ……満潮がフッたのは『怖い』からよ」
提督「……怖い……って……」
霞「――ッ!」
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