過去ログ - ゆき「亜人?」
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358: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/06/14(火) 23:25:28.88 ID:bORNzi8VO

太郎丸の呼吸がしだいに弱まってきた。この幼犬の命が消えるまで、あと数分もかからないことは明白だった。


美紀の瞳から涙がこぼれた。涙は頬をつたい、手の甲におちた。彼女はそこで、自分が涙を流していることに気づいた。


美紀「あっ……すみません、わたし……」ポロッ...ポロッ...

永井「……」


美紀は涙を押しとどめようと、必死になって目をこすった。その効果はなく、美紀の瞳からは際限なく涙が溢れつづけた。


美紀「太郎丸が……こうなっていることも、覚悟して……受け入れるって、言ったのに……」ポロッ...ポロポロッ...

永井「べつに気にしてない」

美紀「わたし……もうすこし、ここに……いても、いいですか……?」グズッ...ズズッ...

永井「いいよ」


永井の腕のなかで太郎丸はすでに冷たくなっていた。永井は太郎丸を抱いたままそこから動かず、ただ黙って、美紀の泣きじゃくる声と、弱まりはじめた雨足に耳をかたむけていた。



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