433: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:32:23.75 ID:uByMCkSUO
胡桃「行くぞ」バッ
美紀「わたしも行きます」
434: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:33:23.96 ID:uByMCkSUO
ーー一階
胡桃「校舎にはまだ入ってきてないな」
435: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:35:10.92 ID:uByMCkSUO
ーー屋上
悠里「煙が……」
436: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:36:11.69 ID:uByMCkSUO
悠里「!……ごめんなさい、どうしたの?」
由紀「あのね……準備だけど、お客さん、お菓子好きかな?」
437: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:38:36.29 ID:uByMCkSUO
ーー駐車場
駐車場に到着した胡桃と美紀がまず見たものは、地面に倒れている、動く気配のない死体たちだった。その頭部からは中身がこぼれ、黒い血の染みが花弁のように広がり、地面を染めている。
438: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:39:24.74 ID:uByMCkSUO
胡桃「あそこにいる」
美紀「どうしますか?」
439: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:40:20.94 ID:uByMCkSUO
ーー屋上
力なく垂れた悠里の頭頂部に熱があたった。へたり込んでいる彼女の脚には力が入らず、細かく震えている。
440: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:41:42.34 ID:uByMCkSUO
いまにも吐き出してしまいそうな絶望を、悠里は嘔気を堪えるかのように必死で食い止めていた。絶望を言葉にして吐露してしまったら、もう立って歩くことすらできなくなってしまう。屋上で崩折れたまま動くこともできず、あの不吉な黒煙を見つめながら、いつしか下に降りた胡桃と美紀の命を諦めることになってしまう。そうしたら、わたしたちが生きている意味が消えて無くなってしまう。それは、放送室で永井に告白した誓いを否定することだった。
だが、それ以上の抵抗は悠里にはできなかった。
441: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:43:07.09 ID:uByMCkSUO
悠里「ゆき……ちゃん……」
屋上に戻ってきた由紀は、呆然と自分を見る悠里をまっすぐ見つめ返した。その目には決意のようなものが浮かんでいる。
442: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/20(水) 23:54:45.17 ID:uByMCkSUO
永井「……彼女たちも、運がなかったな」
永井はしばらくは目を細めて、黒煙を見つめていた。その表情に外から読み取れるような明確な感情があらわれるまえに永井は車に戻り、道を引き返し、あらためて警察署に向かおうとした。
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