448: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/21(木) 00:29:30.58 ID:nHMOffOiO
胡桃 (あいつもこんな気持ちになるのかな……?)
穏やかさに包まれた胡桃には、他者について考える余裕もうまれていた。胡桃がまず思ったのは、車の中で気絶している美紀のことでも、校舎に取り残されている悠里と由紀のことでもなく、ここから去っていった永井のことだった。
胡桃 (あいつはそもそも、こんな状況に追い込まれそうにないな。さっきだって、自分だけさっさと卒業しちゃったし……)
胡桃は永井とはじめて出会ったときのことを思い出していた。永井圭は、胡桃がこれまで出会ったどんな人物とも異なっていた。亜人であることはもちろんだが、それよりも極度に合理的で冷徹な性格をした人間がいること自体に驚いた。“かれら”が闊歩する状況も相まって、永井の合理性はむき出しになり、胡桃たちが見たくない現実を容赦なく突きつけることも何度かあった。
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