450: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/07/21(木) 00:32:05.72 ID:nHMOffOiO
胡桃 (しかし、妙な話だよな)
胡桃はうつむきながら考えをつづけた。
胡桃 (めぐねえのことなんか知ったことじゃないなんて言ってたやつが、あたしたちがめぐねえにしてあげたかったことをしてくれるなんて)
胡桃 (そういうのって、ふつう思いやりとか同情とかからやるもんなんだけどな。合理的に考えてそうしたほうがよかったからって、やっぱふつうじゃねえな)
そう思ったところで、胡桃は苦笑した。
胡桃 (あいつ、ふつうの静かな生活が望みっていってたけど、あんな性格じゃ、むしろ苦労するだろ。頭いいけど、そういうところはわかってなさそうだよな)
絶体絶命の状況下で、ひどくおせっかいな心配をしている自分に気づき、胡桃はおもわず吹き出してしまった。なんといっても、永井圭は不死身の亜人なのだ。心配することなど、ひとつもないはずだった。
胡桃 (まあ、苦労とか気にもしないんだろうけど。性格はわるいけど、あきらめもわるいし、なんだかんだで乗り越えていっちゃうんだろうな)
胡桃は、シャベルを持ち直した。シャベルの柄を握る手にもういちど力を込める。
胡桃「だからって、あたしがそれにならうつもりはないんだけど……」
胡桃「……うちの後輩は、あんなやつでもまた会いたいみたいだしな」
胡桃 (ゆきは卒業証書を渡してないってあわててたし、りーさんの達筆な字をみたらあいつでも驚くかもしれないし。ああ、それに、あたしはもう一回くらい謝っといたほうがいいのかもしれないし)
腕をあげ、シャベルを胸の位置に構える。同時に胡桃は顔をあげた。“かれら”の姿が目にはいる。あまりにものそのそとした動きに、体力が限界を迎えていることも忘れ、なんだ、楽勝じゃん、と思ってしまう。
胡桃「来いよ」
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