484: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/10(水) 23:05:05.56 ID:xQt0KHc3O
ーー地下一階
由紀は、校舎の一階部分と緊急避難区域を分断するシャッター前に一人で立っていた。悠里とともに地下に避難した由紀は、しばらくのあいだ就寝していたらしく、気づいたときには物資保管庫のあいだに横たわっていた。
目を覚ましたとき由紀の目に入ったのは、憔悴しきった悠里の姿だった。膝を抱えたまま濡れたハンカチを目に当て、なんとかして疲労を取り除こうとしている。由紀は、いつもと変わらない態度で悠里に話しかけた。自分たちを襲った煙は本物の火事によるものではなくあくまで訓練火災によるものだとし、胡桃と美紀を待つ間の時間の埋め合わせとして、トランプによるゲームを提案した。
悠里「すこし、静かにして」
悠里は由紀に視線を合わせることなく、そっけない態度でそれを断った。
由紀「ご、ごめん……」
二人のあいだに、沈黙がおりた。
悠里「……ねえ」
しばらくして、悠里が口を開いた。
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