516: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:16:10.57 ID:jS9uIrpkO
胡桃「もし、あたしになんかあったらさ、みんなのこと頼んでもいい?」
永井「そのときの状況次第だ。集団行動にメリットがあると判断すれば、僕は彼女達についていく」
胡桃「ほんっと相変わらずだな、おまえ」
永井「人が生まれ持った性質は死ぬまで変わらない」
胡桃は苦笑した。死んでも変わりそうにないやつがなにを言ってるんだ、と心のなかでつっこんだ。
胡桃「やっぱ、このままほおっておくのが一番かな」
胡桃がぼそっと、このままあるがままでいようかというふうにつぶやいた。永井は胡桃が拾ってきたポーチをふたたび手に取った。そのなかから袋詰めされキャップのついた注射器を三本取り出すと、胡桃に渡した。
永井「おそらく、地下に保管してあった治療薬と同じものだろう。使うか使わないかの判断はおまえに任せる」
胡桃「副作用かもしれないんじゃなかったのか?」
永井「人の性質と違って事態は変化していくんだ。賭けでも、何もしないよりかマシだろ」
胡桃「かもな」
大気が屋上にすっーと降りてきた。大気は土のうえにできた炭をすこしだけ持ち上げると手すりの近くにいる二人にむかって、炭そのものははこばなくても、炭独特の鼻をすっーと突き抜ける、リラックス効果がありそうな涼しいと形容できる匂いをはこんだ。
胡桃「……やばくなったら使ってみる、かもしれない。たぶん」
永井「好きにしていいよ」
胡桃「とりあえず取っておくよ」
永井「そう」
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