518: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/08/28(日) 15:18:05.05 ID:jS9uIrpkO
−−三階・教室
胡桃と美紀が屋上から戻ると、永井たち三人が教室の掃除をしていた。由紀と悠里は箒とちりとりで床を掃いている。その横を永井が机を後ろへ運んでいった。
由紀「あ、おかえりー。はやく手伝ってよ」
胡桃「わりい」
胡桃は永井を手伝って机を運んだ。掃き掃除がおわり、今度は雑巾を使って教室のあちこちについた黒い汚れを落としていく。五人がかりの拭き掃除で教室の汚れはかなり落とせた。
美紀「ふぅ……」
美紀が教室を見渡した。
美紀「だいぶ綺麗になりましたね」
悠里「そろそろいいかしらね」
由紀「じゃ、はっじめっるよー」
チョークを手に持った由紀が黒板の前に立った。かっ、かっ、とチョークが黒板に触れる音が軽快に鳴った。
由紀「できた!」
由紀が黒板からばっととびのく。黒板には、大きくひらがなで「そつぎょうしき」と書かれていた。文字を囲うようにして花とくまのイラストも描き込まれている。文字のバランスは「そつぎょう」の部分がスペースを取り過ぎていて、残りの「しき」が縦書きになってしまっている。
由紀「……ちょっと違ったかな」
美紀「ちょっとじゃないです!」
大きな声でつっこんだものの、由紀の文字を見ているうちに、美紀にはこみ上げてくるものがあった。ここまで生きてこれたこと、これからも生きていくこと。その節目の行事が目前にせまっていた。
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