553: ◆8zklXZsAwY[saga]
2016/09/11(日) 00:14:42.84 ID:e9pvm4lpO
平沢「事態を見る限り、成功したとは言いがたいな」
オグラ「当然だ。そもそも、目に見えない物質をどうやって利用する? 前提から間違ってんだよ、これを作ったやつらは。IBM粒子を亜人の肉体以外に定着させたところは興味深いが、それ以外は完全な失敗だ」
戸崎「だが、その失敗のせいでわれわれは危機に瀕している」
オグラ「そう。しかも、よりにもよってこれに対するワクチンのせいでな」
真鍋「そりゃどういう意味だよ?」
戸崎「オグラ博士、続きをたのむ」
オグラ「ワクチンの効用についてはすでにあんたらの知ってのとおりだが、おもしろいのはその副作用だ。感染の初期段階でワクチンを投与した場合、症状の進行を遅らせることができる。あくまで遅らせるだけであって、完治はしないんだが、その過程で思考力や運動能力は保持したまま肉体はやつらと同様の状態を示すようになる」
オグラ「具体的には極端な低体温、血流の低下、意識混濁、睡眠障害、味覚障害、温痛覚障害などだが、それらよりもっとも重要なのは、やつらから攻撃対象として認識されなくなる点だ。泥だらけのシュワルツェネッガーにプレデターが気づかなかったように、見事にスルーされるってわけだ」
戸崎「つまり、この副作用を利用すれば、ある程度の状況のコントロールすら佐藤には可能となるということだ」
……(沈黙)……。オグラをのぞく一同は戸崎の言葉を重く受け止めている。オグラだけがあいかわらず不味そうにタバコを吸い続けている。しばらくして、平沢がワクチン投与の副作用についてある質問をオグラにする。
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