過去ログ - 二宮飛鳥「ボクに与えられたヒカリ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/17(木) 02:13:02.69 ID:vFtZHxc40
ひたすらネガティブな思考を連鎖させていたら、いつの間にか家の前に着いていた。
持っていたカギで家の中に入ると、そこには母がいた。

「おかえりなさい、飛鳥」

母はこう言って、ボクの帰りを迎えてくれる。
こんなにあたたかい場所はない。

「・・ただいま、母さん」

ボクは少し笑って母へ挨拶を返した、はずだった。
母から返ってきた言葉は、予想もしなかった言葉。

「飛鳥・・・あなた、顔が怖いわ」

・・・・・・え?
ボクの顔は、笑ってはいなかった。
その代わりに、無表情で目を見開いた顔をしていたのだ。
簡単に言えば、生気の無い顔。
生きてる、ということを感じさせないような、そんな顔。

「・・え?・・そんな、母さん、そんな事ないよ。ボクは、大丈夫だから」

ボクはこれ以上指摘されるのが嫌で、走って自分の部屋に入った。
学校のバッグを下ろし、リボンを外して、Yシャツだけ残して脱いだところで、ふと部屋の鏡を覗く。
そこに映っていたボクの顔は、これっぽっちも笑えていない、まさに生気のない表情をしていた。

「ひっ」

思わず自分の表情に驚き、ベッドに飛び込んだ。
知らなかった、さっきボクはあんな恐ろしい表情を母にしていたのか。
ボクに唯一優しくしてくれる、母に。
それを思うと、罪悪感から涙が出てきた。
ベッドで体を丸めてすすり泣いているうちに、いつの間にか寝てしまった。



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