過去ログ - 二宮飛鳥「ボクに与えられたヒカリ」
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30:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/23(土) 02:07:15.73 ID:7B634XBZ0
「…よし、そこまで。」

トレーナーが手を叩く。

「二人ともよくやった。完璧までとはいかないが、これでステージでも充分なパフォーマンスができるだろう」

「……やっ、た…」

「…やったね飛鳥ちゃーんっ!これで、堂々とライブに出れるよっ!」

「わ、智香、強く抱きしめすぎ…苦しい…」

ボクと智香の2人のユニット「アフォガード」は、本番前日、最後のレッスンを終えた。
アイドルのレッスンというのは、想像よりずっと厳しいものだったと思い知ったのがレッスン初日の事。
かといってそのレッスンも続ければ少しは慣れてくる。が、そのまま楽になってくるということはなかった。
それも当然の事、ダンスやボーカルなど、レッスンは続くにつれどんどん難しいものになっていくのだ。
しかしそれらの積み重ねが、ボク達がパフォーマンスをできる力を与えてくれている。
頼もしい事このうえない。

「「トレーナーさん、レッスン、ありがとうございました」」

ボク達はトレーナーさんへ挨拶し、着替えるべく足早にレッスンルームをあとにした。

そして更衣室。
ジャージを脱ぐと、汗が引いているのも相まって少し寒気がする。

「あれ、飛鳥ちゃん、寒いかな?大丈夫?」

「いや、汗が引いてきて冷えただけだ、問題ないよ」

「そっか。体調管理、しっかりね?」

お互いしばらく無言のまま着替える。
空気が少し重くなるのを感じた。

「…智香。1つ、頼みがあるんだ」

「頼み?…何かな?」

「…今夜、寝る少し前でいいから、ボクの部屋に来て欲しい」

「うん、いいよ。ライブ前日だし、不安もあるよねっ。お姉ちゃんが話を聞いてあげよう♪」

「割とリアルな姉妹の年齢差だから困るなぁ」

「ふふっ♪ほら飛鳥ちゃん、早く着替えないと!」

智香にポンと肩を押され、ピクリと反応するボク。

「うん、そうだね。待たせてすまない」

ボクは急いで着替え、智香と一緒に更衣室を出た。


…ボクの肩の震えは、智香にバレなかっただろうか。


そんな不安が、頭の中にもやもやと残っていた。



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