14:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/03/19(土) 22:18:52.90 ID:FU69ie4a0
今日の夕食のメニューは鶏肉のカシューナッツ炒めと中華スープ、あと冷奴。
どれも味は完璧。レストランのシェフほどではないけど、十分美味しい。
少しとろみのついた中華スープをスプーンでかき回す。
「あの、さぁ」
「なんでしょうか」
「ご飯、食べないの?」
アンドロイドは僕の対面に座り、食事をする僕をじっと見ている。これを気まずく思うのは僕だけだろうか。
アンドロイドから目を逸らしテレビに目を向ける。テレビの中では連日のようにアンドロイド容認派と否定派が争っていた。
「それは必要、不必要という意味でございましょうか、可能、不可能という意味でございましょうか」
「あー。後者」
「改造をすれば可能でございます」
「え、そうなの?」
「はい」
しかし改造させてまで食事をさせるほどの余裕は僕にはない。小説家といっても豪遊できるのはほんの一握りだ。
だけど、アンドロイドを人間に近づけることが出来れば僕のこの違和感は無くなるのだろうか。
『非生産的な恋愛に意味はない。アンドロイドは人間の形を止め、もっとロボット染みたものにするべきだ』
「………」
確かにそうだ。ロボットと人間の間では子供が生まれない。
『その意見は同性愛者批判とも受け取れますが』
「………」
『それは曲解というものだ、今はアンドロイドの』
つまらない、変えよう。いつも意見は同じ。言い合うだけで議論なんてものじゃない。
「チャンネル変更………え?」
チャンネルを適当に変えようと思ってアンドロイドのほうを向いたらアンドロイドがテレビをじっと見ていた。
「チャンネル変更。了解いたしました」
僕の命令に対する反応が遅れるほどに。
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