34:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/04/01(金) 21:48:32.87 ID:myGUYc4m0
「ということは君は人間になってはいないんだね?」
アンドロイドをつれて家に帰った僕は、机を挟んで座っているアンドロイドの話を聞いていた。
話自体はごく短いものだったがその内容は良く分からないものだった。
いきなり感情が芽生えた。
それだけだ。
しかしその意味を理解できるものがどれだけいるだろうか。
考えてみて欲しい。動物は進化の過程で感情を手に入れた。なら生物として進化するはずのないロボットに感情は芽生えるのだろうか。
AIはあくまで学習用。効率や言語などは覚えるがそれまでだ。改良はあれど発明はしない。
「はい。私は機械の体ですから」
そういって服をめくった彼女(彼女と呼んでいいのかは疑問だけれど)のお腹に見えるのは内部コンピュータをチェックするための扉。
人間ならば内臓が存在する場所にあるのは彼女の機能を司る中枢部。これが人間でないのは一目瞭然だ。
「ご理解いただけたでしょうか。マスター」
「理解はした。いや待ってしてないしてない。いきなり感情が芽生えたって!? ありえないよ!!」
「今私が涙を流せるならば流してしまいそうです」
「あ、ごめん………いや、そうじゃなくてね」
「冗談です」
そういって少し悪戯染みた表情で笑う彼女は傍から見ればただの女性にしか見えない。それほどまでに自然な表情。
「私も理由は把握していないのです。ある日スリープ状態から復帰してみればあるのは今までに無い感覚。これを感情と理解するのに時間はいりませんでした」
「なんで?」
「マスターに尽くそう。そう考えた私がいたからです」
「それはロボット三原則で」
「いえ、ロボット三原則ではなく私がマスターに尽くそうと考えたのです」
「でもそれはロボット三原則で」
「もう! マスターは分からずやですね!」
「わからずや!?」
ロボットに怒られてびっくりすると同時に少し凹む。
僕が間違っているのかなぁ。
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