37:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/04/01(金) 23:06:06.13 ID:myGUYc4m0
「と、とにかく今後のことを考えなくちゃ」
意識しそうになってしまったので無理やり話題を変える。
「今後、ですか?」
「感情に目覚めたのなら今までどおりじゃ駄目だよね。だから今後のことを」
「あ、それならばマスター。私は一つ欲しいものがあるのですが」
「えっと何? あ、服? そうだよね。服っていってもそれぐらいしか買ってないし、その服も汚れちゃったし」
「いえ、違います。いや、それもそうですけどもっと欲しいものが」
「なに?」
「名前です」
な、名前?
あぁ、そういえば僕はずっとアンドロイドとしか彼女を呼んでいない。
そりゃあそうだ。アンドロイドに名前をつける人は稀だ。
今までアンドロイド嫌いだった僕がアンドロイドに名前をつけているはずがない。
でも、困ったなぁ。名前をつけて欲しいといって咄嗟に閃くはずがない。
小説とは違ってここは現実なんだ。ちゃんと考えてつけなければ
「マスター?」
期待して僕を見てる彼女のプレッシャーが辛い。
「ごめん、すぐには思いつきそうにないや」
僕はプレッシャーに耐えかねそう言った。
彼女は少し寂しそうな顔をして仕方ないですよね言って微笑んだ。
「楽しみに待っておきます」
「ごめんね」
謝った瞬間に壁にかけてある時計が23時を知らせる音を鳴らした。
「マスター。今日はもう寝たほうがいいと思います。夜更かしは体に良くありません」
「そうだね。また明日………あ、でも君はどこで寝るの?」
「私はいつもどおりスリープモードとなり充電状態に入るので、床に座っています」
「あぁ、そうなんだ。それでいいならいいんだけど」
「………はい。それで構いません」
「それじゃあお休み」
「おやすみなさい。マスター」
そう言った彼女の声色が起こってるように感じたのは僕の気のせいだろうか。
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