6:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/03/19(土) 13:09:02.94 ID:FU69ie4a0
「アンドロイドの話はいったんやめよう」
「そうだね」
意見が違う僕達だけれど、アンドロイド以外では気があうのでいつもこの三人でこの喫茶店に集まる。
話がヒートアップすることもあるけれど、さっきみたいにすぐに話を切り上げて別の話題に移ってくれる。
良い友人だと、僕は思う。
「げっ。仕事の時間だ」
「今日は夜からなの?」
「もうすぐアンドロイドの新作発表の時期だからな。忙しいのだろう?」
「その通りだ。金ここおいとくから会計たのんだ!」
お金を机の上にばら撒くようにして置き、敦彦は喫茶店から走って出て行った。勢いで乱暴にしまった扉がうるさくベルの鳴き声をあげる。
「では俺も戻るとしよう。来るのだ、リリカ」
「分かりましたマスター。それでは三浦様。ごきげんよう」
「またね、恭平、リリカちゃん」
小さく手を振ると恭平は驚いた顔で僕を見た。
「やはり稔。こっち側の才能はあると思うぞ」
「ち、違うって」
「まぁ、いい。それではな」
恭平はおもむろに外へと出て行った。僕ももうそろそろ家に戻ろう。すっかりさめたコーヒーを一気に飲み干して、伝票を二枚手に取った。
「あ、恭平、お金くれてない。………またかぁ」
僕は二枚の伝票を持って三人分のコーヒーを支払った。
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