7:人外好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2016/03/19(土) 13:28:01.90 ID:FU69ie4a0
「ただいま」
家に戻り玄関を開け、そう言う。今までの人生の中で染みついた言葉はたとえ一人暮らしだとしても抜けることは無い。
「おかりなさいませ。マスター」
あ、そうか。アンドロイドがいるのか。
でもやっぱりこの無機質な声は好きじゃない。せめて人間の形をしていなければ僕は慣れることができたのだろうか。
「今日は何をやってた?」
「本日は、掃除、洗濯をしていました。ご夕食はどうなされますか」
「6時30分にお願い」
「了解いたしました」
「あ、待って」
「なんでしょうか」
「もうちょっと人間なれない?」
「その命令はロボット基本法に反するため、遂行いたすことができません」
「そう、だよな」
やっぱりアンドロイドはアンドロイドか。
でももうちょっと人間味が欲しい。人間の姿をして人間のような声を出す。だけれど乾燥して無機質。それはとても不気味で。
「アンドロイドにも心ができれば、か」
恭平がいつも言っているあの言葉は理解は出来る。
だけれどもしアンドロイドに心が出来たならば
「仕事、続きをするか」
一瞬芽生えた感情を頭を振って消す。小説を書こう。そうすれば余計なことも考えなくていい。
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