過去ログ - 塩見周子は速水奏とデートがしたい
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/03/19(土) 22:21:26.53 ID:tRgO8C6ho
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「――あ、あのっ、周子さんに奏さんですよねっ!?」
「ええ」
「ほ、本物ですか!」
「本物。顔、引っ張ってみる? 周子の」
「ちょいと」
「わっ! ちょっとみんなやっぱ二人ともマジで――」
シンデレラガールになったからといって、毎日ががらりと模様を変える訳ではなかった。
お仕事が忙しくなって、街中で向けられる視線が増えたくらい。
空を飛べるようになったのでもなければ、ましてや魔法を唱えられるようになったのでもない。
いや、二つともまだ本気で試しちゃいないけれども、それでもだ。
「握手してくれませんかっ」
「ほい」
「! す、凄い。ホントに周子ちゃんだ……! 生きてる……!」
「生きてるよ」
奏もいつぞやのライブ以来ぐっと注目を浴びるようになった。
奏が有名になるのは嬉しい。
奏が有名になるのは面白くない。
そんな、口に出したら絶交モノだろう感情をあたしは抱えてしまっていた。
嬉しいのも確か。でも、何だか少しだけ面白くないのも確かだった。
あたしはこの感情の正体を知っている。
けどそれを名付ける資格なんて、私は持っていない。
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