過去ログ - 【ラブライブ!】ことり「恋宮殿に誘われ」海未「乙姫心で抱き締めて」
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449: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:30:03.68 ID:U4+BbBrW0
 およそ百年前……。

 龍宮城では、私たち乙姫を含む全住人を巻き込んだ騒乱が起きた。
 たった一人の人間を巡り、誰しもが熱を上げ、掟も慣習も無い無法地帯と化した。

以下略



450: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:30:47.75 ID:U4+BbBrW0
―――


海未「…………」

以下略



451: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:31:23.05 ID:U4+BbBrW0
 玄関から宮殿内に戻り、明日以降の予定を復習していた。
 問題点を幾つか上げ、対策を練っていると、遅れて玄関から入ってきた使いの者が私を呼び止めた。


海未「どうしました?」
以下略



452: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:32:02.39 ID:U4+BbBrW0
海未「……」


 一瞬。

以下略



453: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:32:46.89 ID:U4+BbBrW0
海未(綺麗……)

海未(素敵な、青みがかった……藍色? 空の色? ……いえ……この色は……海?)

海未(龍宮城では扱わない生地に思えますが……)
以下略



454: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:33:30.64 ID:U4+BbBrW0
海未(違います……そんな……現実的ではないでしょう。馬鹿な考えは止すのです)

海未(……ずっと、抑えてきたじゃないですか)

海未(耐えられるようになるまで、意識しないよう、思い出さぬよう、徹底してきたんですから……!)
以下略



455: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:34:03.47 ID:U4+BbBrW0
 するり、と。
 着物の間から、一枚の紙が落ちた。
 反射的に、私は屈んで紙を拾い上げる。

 紙には短い一文が書かれていた。
以下略



456: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:34:30.68 ID:U4+BbBrW0
海未「嘘です」


 声が抑えられなかった。
 勝手に口が震え、思いの丈が声の形で私自身の耳を打った。
以下略



457: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:35:06.66 ID:U4+BbBrW0
 信じられない。
 有り得ない。
 理解がまるで及ばず混乱する。

 けれど、一文が示しているのは、他でもない……。
以下略



458: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:35:54.71 ID:U4+BbBrW0
海未「ことり……ことりっ……ぁぁぁぁぁっ…………ぁぁぁっ…………ことり…………っ!」

海未「何故あなたはこの地に招かれてしまったのですか……!」

海未「あなたと出会ってしまったから、好きになってしまったから、こんなに……どうして……!」
以下略



459: ◆qpwZInm6fw[saga]
2016/03/27(日) 21:36:42.74 ID:U4+BbBrW0
 胸に着物を抱いたまま、地べたに座り込み、私は泣いた。
 声を上げ、涙を流し、恋した人の名を何度も何度も呼びながら。

 ことりがこの地にいた時、このようなことを言っていた。
 人間と乙姫、異なる世界に生きる者同士が交わろうとも、最後には悲しみしか残らないと。
以下略



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