過去ログ - 【シュタゲSS】フェイリス「……パパ?」
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6: ◆3go5SqN4Y.[saga]
2016/03/21(月) 23:01:43.27 ID:nkDZr6hS0



そう言いながら、俺はα世界線でのことを思い出していた。
耳栓――。その言葉には、強い思い出があった。

かつて、フェイリスはα世界線において、Dメールを送りパパさんを生き返らせた。
しかし、まゆりを助けるためにそれをなかったことにしなければならなくなった俺は、フェイリスに何とDメールを送ったのか尋ねたが、覚えていなかった。
当然だ。世界線が変われば、記憶を保てていられるのは俺だけ。そう、このリーディング・シュタイナーを持つ俺だけなのだ。

しかしそのせいで困りかけた俺だったが、フェイリスはもしかしたら思い出せるかもしれない、と言った。
俺は思い出してくれっ、と必死に頼んだ。すると、フェイリスは、雷ネットの決勝で勝てたら思い出せるかもしれない、と言ったのだ。
そう、このときフェイリスは、雷ネットの大会において決勝で敗れてしまっていたのだ。
そんなこの決勝で勝つことができれば、思い出すことができるかもしれない。
フェイリスが言ったその言葉を信じ、俺はタイムリープをした。フェイリスから、過去のフェイリスへの伝言を抱えて。

そのときに、過去のフェイリスに持たせるよう言われたのが、サングラスと、そしてこの耳栓だった。
決勝で妨害工作にあったから負けた、これさえあれば絶対に勝てていた、フェイリスはそう言っていたのだ。

結局、色々と問題はあったものの、見事フェイリスは優勝、そこからも色々あって、最終的にはDメールの内容を思い出し、まゆりを救える世界へ少し近づいたのだ。
だが、そのことを今のフェイリスは覚えていない。なかったことになったのだから。あの夜の告白も、涙も、何もかも。


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