過去ログ - 【Fate】2chAAで聖杯戦争 -安価とコンマあり- 6 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】2chAAで聖杯戦争 -安価とコンマあり- 6

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436: ◆W4dwivvCq.B7[saga]
2016/03/28(月) 21:06:56.27 ID:WwHvopAJo

声と共にズイと伸ばされる大樹のような男の腕。ガッシリとしていて無骨な掌に私の頭蓋は呆気無く包まれた。
「魔術師―――荒耶宗蓮。君は救いを求めたのだろう？君の深層に根付くその力なら、今後このような事態を回避できよう」
声は、濃厚、濃密、重厚。一度聞けば一生忘れることはないだろう。私はこの男に助けられたのかと、安堵した。

同時に―――体内の血液が炸裂(スパーク)した。血液の管を、臓腑を、神経を耐え難い熱が蹂躙する。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"――――！！！！」
絶叫。身体の中から何かを解き放たなければ、私という小さな存在は容易く崩れ去る。

劈くような声。夜の中で、静寂と静謐を殺すかのごとく声は響き渡る。
その声を真っ向から浴びせられても、私の頭に手を置く男は全く動じない。
……この男が何かをしたのは日の目を見るよりも明らか。振り払うことに全神経を傾けろ。

沸騰する思考。沸騰する血液。その中でもただ一つを成すことは出来るはずだ―――！
男を振り払うように、腕を無造作に振るった。すると、粉塵が舞い上がった。
燻る視界の中で、一つの影が遠のくのが見えた気がした。男は、つまり逃げたのだろう。

その答えを受け入れるのに、暫しの時を要したが私はあらゆる絶望から解放された事に息を吐いた。
しかし、この視界を邪魔する砂埃は何だと言うのか。まるで、私がこの現象を巻き起こしたようではないか。
疑問の渦の中で一先ず腕を下ろした時、カツンと妙な音が立った。

音の出処を見て

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　　l｜|　　　｢刀
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「えっ」
―――私は絶句した。

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