22:名無しNIPPER[saga]
2016/03/22(火) 02:09:22.21 ID:w8NWr5C/0
復唱したみたいに、杏も彼女と同じ言葉を繰り返してしまった。
そして、自然とあの日のプロデューサーの不満そうな表情が思い出される。
「……気付くわけないじゃんか」
どこまでも銀色なあの輪っかの中に、ぼやけた金色が映っている。
星屑のように散りばめられている。
「杏ちゃんっ!」
「ぐえっ」
横から突然抱きつかれて、潰れた声が出る。
柔らかい二つの塊に顔が埋まって息がしにくい。
でも、悔しいな。これからもこれまでも、この子に杏は勝てないんだろうと、そう思う。
視界の端に放置された縫いかけのうさぎが見えた。
一人で眠るのは少しだけ寂しかったけど、今日からはきっと問題ない。
点と点を線で繋ぐように、今また一つ繋がった。それは杏と、もう一つに宿っている。
杏のそばに、いつもある。
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