8:名無しNIPPER[saga]
2016/03/22(火) 00:46:28.80 ID:w8NWr5C/0
☆
病院に着いた時、眉がへの字になってとても気難しそうなおじさんから説明があった。
ただ、彼の言ってることはイマイチ難しくて、杏はぼんやり彼の眉毛を眺めながら頷くだけだった。
一つだけ分かったのはお腹の中がどうこうしてボロボロになってて、もう取り返しがつかないってこと。
こう見えても杏の頭は悪くない。きっと真面目に勉強すればもっと詳しく知ることができると思う。
けど、今はそんなことはめんどくさかった。
「奥様も覚悟だけはしておいてください」と、そうおじさんは言った。
覚悟って何をすればいいんだろう。彼がいなくなった後にどうやって生きていくかとか、そんなことを考えればいいんだろうか。
そんなこと、その時にならなければ分かるわけもないのに。
マスクをつけて、階段をのぼる。
すぐそばにエレベーターもあったけど、今足を止めたらもう動くことができない気がして見なかったフリをする。
不本意だけど、杏もなんだかんだ乙女らしいとこはあるのかもしれない。
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