過去ログ - 前川みく「ハンバーグが鳴く頃に」
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22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:01:45.78 ID:6MxfTFCf0
「――もし決めかねてるのなら、『びっくりハンバーグ』がいいと思いますよ」
対面に座る彼女が、そう言って微笑んだ。その姿に、みくはドキッとして唾をのむ。
「そうですね、なにせ当店自慢のハンバーグですから……決してお客様の期待を裏切ることは、いたしません」
「……じゃ、じゃあ……それで」
結局、二人に押し切られる形で注文を決める。
程なくして、熱々の鉄板にのせられた、二つのハンバーグがテーブルへと運ばれてきた。
「それでは、こちらが闇夜のハンバーグと、びっくりハンバーグとなります……どうぞごゆっくり、お召し上がりくださいませ」
ジュウジュウと音が鳴る鉄板の上、こぶし大程の大きさの肉の塊には、真っ赤なソース。
その横に添えられた付け合せの野菜も、つやつやと美味しそうな色をしている。
おまけに、この焼けた肉から立ち上る良い匂い……今まで、こんなにも食欲をそそる香りを、嗅いだことがあっただろうか!
口の中に唾液が溜まるのを感じながら、みくはふと顔を上げて、お向かいの「闇夜のハンバーグ」を覗いてみた。
「びっくり」と「闇夜」、二つのハンバーグがどう違うのか、興味があったからだ。
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