過去ログ - 前川みく「ハンバーグが鳴く頃に」
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4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 06:45:35.03 ID:6MxfTFCf0
「どうかしたにゃ?」
「あ、あー……えっと、その……」
明らかに、様子がおかしい。
何か変なことを言っただろうかと、みくは自分の言動を振り返ってみたが、思い当たるふしもなく。
どうしたものかと眺めていると、やがて蘭子は意を決したように大きく息を吐いてから、その右手を高々と掲げた。
「……よ、よかろう! 共に愉悦の宴、その席へと参ろうぞ!」
そうして再びいつもの調子で話しだした蘭子だったが、その顔はやはり冴えない。
外へ食事に行くだけだというのに、何をそんなに悩む事があるのか?
訝しむみくだったが、蘭子が立ち上がったのを見て、自分も持っていた雑誌を閉じると、
彼女の後に続くべく座っていたソファーから腰を上げる。
「いざ行かん! 宴の場へ!」
まるで自らに気合を入れるように振舞う蘭子を見て、みくは妙な胸騒ぎを感じたが……
気のせいだろうと、首を振ってそのもやもやを否定する。
なに、ただちょっとご飯を食べに行くだけなのだ。別に何も、悪い事など起きるわけがない――と。
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