過去ログ - Iriya/Emotion into the sky
↓
1-
覧
板
20
20
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:16:23.08 ID:3u2qsoVw0
「ねえ、伊里野は浅羽くんが好き?」
少し恥ずかしかったけど、わたしは頷く。
「猫は?」
以下略
21
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:17:05.67 ID:3u2qsoVw0
「どうして、好きなの?」
「浅羽が、好きって言ったから」
「そっか……じゃあ猫と浅羽、ってちょっと愚問だったわね」
以下略
22
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:20:40.83 ID:3u2qsoVw0
椎名がわたしを抱きしめる。あまりに唐突だったので、抵抗する暇さえなく、椎名の胸の内で驚くしかなかった。
「だったらさ、入里野……浅羽くんを守らなきゃね。浅羽くんを死なせちゃいけない。
ねえ、知ってる? 1番好きだって思える人に送る言葉。教えてあげるから、浅羽くんに言ってあげなよ」
以下略
23
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:21:59.11 ID:3u2qsoVw0
長らくカメラ映像をカットしていることに対する警告音が鳴る。僅かばかりの時間粘ってはみたものの
浅羽の姿をもう1度、肉眼で捉えることができなかった。
わたしはパネルを操作して、先ほどと真逆の指令をブラックマンタに与える。
以下略
24
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:23:07.39 ID:3u2qsoVw0
そろそろ最後の作戦を実行しなければならない。
けど、あとひとつだけ我儘が許されるように思えたし、それを実際に止める手立てはもはや誰にも残されていない。
25
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:23:34.89 ID:3u2qsoVw0
「マイム・マイムは砂漠の踊り。ファイアストームの日、浅羽と踊った踊り」
あの踊りを、わたしは忘れていなかった。ブラックマンタをどのように操縦したのか、忘れてはいなかった。
イエスタデイ教官が、この出鱈目なマヌーバを目にすることがあったならば、たぶん、説諭だけではすませなかったはずである。
以下略
26
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:24:34.28 ID:3u2qsoVw0
マイム・マイムを踊りながら、少しずつ高度を上げていく。
ひょっとすれば甲板で、浅羽があの時のように、わたしと一緒に踊ってくれているかもしれない。
そう想像してみると、少しの間だけだが気持ちがふっと軽くなる。
以下略
27
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:25:05.48 ID:3u2qsoVw0
わたしは、これから死ににいく。KAMIKAZEという名のこの作戦は、これまでで最も単純であり、技術的にも平易な作戦。
でも、平易であれば平易であるほど、その落とし前はどこかで誰かがつけなければならない。
28
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:26:05.48 ID:3u2qsoVw0
大空にぽっかり浮かんだ異物。ソレが姿を現している。
さらに視界が光を失くしていき、すぐにその原因がわたしにあることを知った。
こんな場面で視力が失われ始めている。深呼吸を繰り返し、はやる鼓動を抑えようと努力する。
以下略
29
:
◆KM6w9UgQ1k
[saga]
2016/03/22(火) 22:27:20.75 ID:3u2qsoVw0
「神様、浅羽と、ずっと一緒にいたい」
もし祈りが聞き届けられたとしても、神様は浅羽を守れない。
だったらわたしが、浅羽を守らなくてはいけない。他の人類がどうなろうと、浅羽だけは。
以下略
37Res/12.99 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - Iriya/Emotion into the sky -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1458651514/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice