過去ログ - Iriya/Emotion into the sky
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24: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:23:07.39 ID:3u2qsoVw0
 そろそろ最後の作戦を実行しなければならない。

けど、あとひとつだけ我儘が許されるように思えたし、それを実際に止める手立てはもはや誰にも残されていない。



25: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:23:34.89 ID:3u2qsoVw0
「マイム・マイムは砂漠の踊り。ファイアストームの日、浅羽と踊った踊り」

 あの踊りを、わたしは忘れていなかった。ブラックマンタをどのように操縦したのか、忘れてはいなかった。

イエスタデイ教官が、この出鱈目なマヌーバを目にすることがあったならば、たぶん、説諭だけではすませなかったはずである。
以下略



26: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:24:34.28 ID:3u2qsoVw0
 マイム・マイムを踊りながら、少しずつ高度を上げていく。

ひょっとすれば甲板で、浅羽があの時のように、わたしと一緒に踊ってくれているかもしれない。

そう想像してみると、少しの間だけだが気持ちがふっと軽くなる。
以下略



27: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:25:05.48 ID:3u2qsoVw0
 わたしは、これから死ににいく。KAMIKAZEという名のこの作戦は、これまでで最も単純であり、技術的にも平易な作戦。

でも、平易であれば平易であるほど、その落とし前はどこかで誰かがつけなければならない。


28: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:26:05.48 ID:3u2qsoVw0
 大空にぽっかり浮かんだ異物。ソレが姿を現している。

さらに視界が光を失くしていき、すぐにその原因がわたしにあることを知った。

こんな場面で視力が失われ始めている。深呼吸を繰り返し、はやる鼓動を抑えようと努力する。
以下略



29: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:27:20.75 ID:3u2qsoVw0
「神様、浅羽と、ずっと一緒にいたい」

 もし祈りが聞き届けられたとしても、神様は浅羽を守れない。

だったらわたしが、浅羽を守らなくてはいけない。他の人類がどうなろうと、浅羽だけは。
以下略



30: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:27:49.45 ID:3u2qsoVw0
 マイム・マイム

 心の片隅で蠢動するどす黒い気持ちを、浅羽との思い出で押さえ込む。

浅羽と過ごした夏の全ての思い出、掛けてくれた言葉がわたしを支えてくれている。
以下略



31: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:28:55.15 ID:3u2qsoVw0
『ぼくは、伊里野のことが好きだ』

 身体に凄まじい衝撃が走る。飛行服が裂け、その部分の肉が共に削がれたのだろう。

痛みが全身を覆う。身体中の激痛に対して、わたしの頭はやがて痛みを感じるのを放棄していく。
以下略



32: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:29:24.61 ID:3u2qsoVw0
 浅羽、ありがとう。わたしのために言葉を送り続けてきた浅羽に、わたしも言葉を返さなくてはならない。

1番好きだと思える人に、送る言葉。


33: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:29:50.96 ID:3u2qsoVw0
「浅羽、愛してる」


34: ◆KM6w9UgQ1k[saga]
2016/03/22(火) 22:30:49.04 ID:3u2qsoVw0
誤字脱字駄文申し訳ないです。

ありがとうございました。


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