過去ログ - 佐竹美奈子「ずっと一緒がいいな」
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1:名無しNIPPER
2016/03/22(火) 23:10:57.69 ID:RUCOphPUO
 鳴り響くスマホのコール音に、私の意識は覚醒した。
 聴き馴染んだシンセサイザーの音色は、私の持ち歌『スマイルいちばん』のイントロだ。
 私をアイドルにしてくれたこの歌は、私にとっても大事な歌だ。
 この曲が私の携帯から鳴るということは、原因はひとつしかない。

 「もしもしお待たせしました! おはようございますプロデューサーさん!」

 私をアイドルにしてくれたプロデューサーさん専用の着信音。それが、この曲が私の携帯で担っている重要な役割だ。
 自慢じゃないけど、この曲を着信音にして私がプロデューサーさんからの電話に出なかったことはない。

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2:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:14:16.28 ID:RUCOphPUO
 「おはよう美奈子。起きてたか?」
 「もちろんですよ。任せてください」

 大嘘だ。意識こそはっきりしているものの、身体はまだまだ寝起き直後のまま。
 髪はボサボサだし化粧だってしてない。服装だって奈緒ちゃんが置いていったTシャツとスウェットだ。
以下略



3:名無しNIPPER
2016/03/22(火) 23:18:02.20 ID:jpnbs2ZBO
 「あー! なるほどなるほど……わかりました! えーっと時間は何時くらいがいいですか?」

 そういえばそうだった。お店がバタバタしてて完全に忘れてた。なんだっけ。確かアイドルマスターGPだっけ。これに合格したら名実ともにトップアイドルだとかなんとか。

 「そうだな。19時半にいつもの駅の西口の方でいいか?」
以下略



4:名無しNIPPER
2016/03/22(火) 23:19:13.18 ID:jpnbs2ZBO
 お店の手伝いを終え、シャワーを浴びて着替えを済ませて。
 家を出て10分ほど歩いたら、いつも事務所に向かうのに使う駅がある。
 プロデューサーさんとはそこで待ち合わせをしていた。

 「ん? あっ。プロデューサーさん! お待たせしました!」
以下略



5:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:20:50.57 ID:jpnbs2ZBO
言ってプロデューサーさんが歩き出す。
 そこでようやく気づいた。
 普段こっちに来ないからわからなかったけど、西口ってライトアップされてたんだ。
 クリスマスの時とは違う薄桃色の綺麗な光に思わず見とれてしまう。
 今は三月。これは……時期的に、桜のイメージなのかな?
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:22:10.80 ID:jpnbs2ZBO
 「ここって、私とプロデューサーさんが初めて出会った場所ですよね」
 「ああ……ってなんだ。覚えてたのか」
 「当たり前じゃないですか」

 忘れるなんてこと、とてもじゃないけどできそうにない。
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:23:46.80 ID:jpnbs2ZBO
 予想外のうれしさに、思わずプロデューサーさんに抱きつく。
 実感こそなかったけど。
 やっぱり、いざ本当にトップに立ったって認められたらやっぱり嬉しかった。
 普段は過剰なスキンシップを避けるプロデューサーさんも、今日だけは見逃してくれるのか。
 そのまま私が胸の中にいることを許してくれる。
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:25:29.55 ID:jpnbs2ZBO
 「んー……とりあえず、またお店の手伝いがしたいです。
 前にもお話したとおり、トップアイドルになるって目標を叶えた以上、アイドルとしての活動は引退します。
 今日お店に出たら常連さんに久しぶりだね! って言われちゃって。
 私にとって、アイドルをして一番大きかった出来事って、私の根っこには人を笑顔にしたいって思いがあるってことに気づけたことなんですね?
 佐竹飯店は私の原点です。
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 23:27:02.71 ID:jpnbs2ZBO
「もう23歳だもんな……あのな? 店の手伝い以外に何も考えてないなら、一つ頼みたいことがあるんだけどさ」

 背中に回した腕を解き、カバンの中から何かを取り出すプロデューサーさん。
 なんだろう。なにか預かり物をして欲しいとかかな?

以下略



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