3:名無しNIPPER
2016/03/23(水) 01:32:12.66 ID:S/ZlKfXG0
「あ、いらっしゃいませー」
そう言って接客してくれたのは、五人組グループだった彼女たちのなかでも中堅のような子だった。
五人組センターではないけど、端っこでもない。歌も下手じゃないし、ダンスも同様。特筆して可愛いわけじゃないけど、愛嬌はある。そんな感じ。
「あの、今日歌ってた歌が入ってるCDってありますか?」
「んとー、何種類かに分かれてるんだけど、どの歌ですか?」
思い出したフレーズを口ずさむと、「ああ、これですね」と、一枚のCDを差し出してくれた。500円。
「安いっすね」
つい、口にしてしまった。
「地下アイドルのCDなんてこんなもんですよー。あれ、お兄さん初めて?」
「友達の付き添いで。あのバンドが目当てみたいなんですけど」
アイツのいるほうを指さすと、ははーんと頷いた。
「人気ですもんねぇ。私から見てもかっこいいもん」
「そういうもん? 言っちゃって良いの?」
「良いの良いの。ほら、他のグッズとかCDは大丈夫ですか?」
「うーん、とりあえず。あ、サイン貰えます?」
「もちろんー。良かったら、応援してくださいね。あ、他の子たちのサインも欲しいですよね?」
その問いには頷いて返すと、横並びになっていた他のメンバーに歌詞カードを回してサインを促した。実に手慣れたものだ。
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