過去ログ - 高槻やよい「思い出はもやしと共に」
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21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/24(木) 05:12:52.81 ID:K/5XZl+00
「あぁっ……はづきちゃん……戻ってきてぇ……」
寝転がったままの姿勢で、名残惜しそうに自分から距離をとったはづきへと手を伸ばす伊織。
そんな伊織に向かって、はづきがその小さな鼻をつまんで言い放つ。
「やっ! おねーちゃんお酒臭いもんっ!」
「そ、そんなぁっ……!」
幼子の無垢な言葉でトドメを刺された伊織が、がっくりと肩を落とす。
その様子を見ていた俺は、伊織には悪いが、内心ではよく言ったとはづきに拍手を送っていた。
そもそも許可が出ていたとはいえ、持ち主に断りなく人の酒を勝手に飲むから
後々こういうツケが回ってくるのである。因果応報とは、まさにこのことだ。
「ふっ、これも天罰だな。そこでしっかりと反省したまえ水瀬くん! ふははは!」
「いいわよ別に、私にはまだこのお酒が残ってるから……こうなりゃとことん飲んでやるわよ!」
「ふはは……う、うん? だからな、その酒は俺の酒で、別に飲んで良いって許可したわけじゃ――」
その時だ。聞き覚えのある凛とした女性の声が、俺の言葉を遮った。
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