過去ログ - 「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」
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25:名無しNIPPER[saga]
2016/03/25(金) 18:03:39.91 ID:RWFkivM90
「ううむ……どうも目が良く無いのぅ」

「……あん?」

右目の瞼を指先でとんとんと抑える老人を見て、男は訝しげな目を向けます。

「……どうせまた変なもんでも食ったんだろうが、それともクスリか?」

「ひっひっひ……両方じゃ」

にたぁ、と口を開く老人を見て、男はため息をつきました。

「なかなか刺激的だったんじゃがのぉ……視力が奪われるのは辛いのう」

「視力?」

「メデューサの蛇の肝が美味くてのぅ……ついつい食べ過ぎてしまったんじゃぁ」

「……」

男は呆れた様子で、老人に冷ややかな目線を浴びせます。老人は気付いているのかいないのか、相も変わらず、にたにたと笑っております。

辺りはまだ日が出ています。大きな市場はまだ開催されていないでしょう。

この街は、朝昼は人気が無く、夜に活気が出ます。今の時間帯では大したものは買えないでしょうね。

「ハァ……ったく、知り合いのブローカーに話をつけてやる。やってるかは知らねぇが、臓器市へ行くぞ」

「ひっひっひ……貸しが一つ出来たなぁ」

どこの口が言うんだか、と男は踵を返し、まだ明るい路地を歩き出しました。


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