10: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:01:53.00 ID:0Kh09xr+0
 しかし怪物は僕に楽なテレビ視聴などは提供してくれない。 
  
 正直もうそこそこ限界だった。 
 いつもならもうスープにご飯を入れたって食べ終わっている時間になっていた。 
  
11: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:04:20.40 ID:0Kh09xr+0
  
 『ガラムマサラ』 
  
 そのスパイスはカレーに刺激と深みを与える素晴らしき存在だ。 
  
12: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:05:22.58 ID:0Kh09xr+0
 僕は足早に台所に戻り棚を開けた。 
  
  
 だが…… 
  
13: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:07:50.83 ID:0Kh09xr+0
 僕はテレビの前に戻りまた麺の入った容器と向き合う… 
  
 それはまだ最初に放った臭いをしっかりと残していた。 
  
 もう…無理だった。 
14: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:08:59.11 ID:0Kh09xr+0
 当然腹は満たされることはない。 
  
 美味いとか不味いとかじゃなくて、そもそも麺を腹の中にそんなに入れていなかったのだから当たり前っちゃ当たり前だ。 
15: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:09:55.04 ID:0Kh09xr+0
 僕はコンビニへ向かった。 
  
  
 家から400メートルもないくらい近くにコンビニはあったが僕は歩かなかった。 
  
16: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:10:52.96 ID:0Kh09xr+0
 店員「ありがとうございました〜」 
  
  
 僕は店内のポットで購入したカレーヌードルに湯を注ぐと外に出てコンビニ前のベンチへ座った。 
  
17: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:11:49.47 ID:0Kh09xr+0
 3分経過し蓋をとる。 
  
  
 鼻に入るのはもちろんいつもの香ばしいカレーの香り…。 
 それだけで口の中いっぱいに唾が分泌された。 
18: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:13:04.57 ID:0Kh09xr+0
 割り箸を割り、麺をすする。 
  
 「うまいっ!!うまい…!」 
  
 外にいたのに、独りだったのに、思わず声が出た。 
19: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:14:29.09 ID:0Kh09xr+0
 口の中を満たすスパイスの刺激。 
  
 味のしっかりと染みた具。 
  
 服を汚すような勢いですすられる麺。 
20: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2016/03/24(木) 23:15:51.97 ID:0Kh09xr+0
 食べ終わった後の容器と割り箸をゴミ箱に入れた。 
  
 コンビニを背に歩きだす。 
  
 行きに堪えた涙がそこで溢れだした。 
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