25: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:49:20.97 ID:vxIFxQsM0
P「……アイドルの、プロデューサーをしているんだ、俺」
それは、俺が傷つけたアイドルの話だった。
なぜ、それを彼女に話そうと思い立ったのかは、説明できない。
自分の愚かさを誰かに聞いてほしかったのかもしれない。その相手が偶然彼女だっただけかもしれない。
不用意に触れれば壊れてしまうような、脆いものを持ち上げるように、話し始める。
P「誰よりも輝ける、一番に煌めけるアイドルをプロデュースしたくて。それだけの理由で」
P「ずっと勉強して、色んなひとに頭下げて、必死だった。そこまでして頑張ったのは、そうすればいつかは叶うって、どこかで願っていたからかもしれない」
P「本物のトップアイドルというものを、見てみたかった」
P「失敗も沢山したし、肉体的にも、精神的にも辛かった。だけど少しずつでも夢には近付けていた」
P「でも、実力がつけばつくほど、俺が目指していることがどれだけ難しいかがわかるんだ」
P「ひょっとして、夢は叶わないんじゃないかって、それを認めてしまうのが怖くて、」
喉の渇きを覚えて、一度グラスを煽った。
隣に座る彼女は、なにも言おうとしない。
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