27: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:56:09.66 ID:vxIFxQsM0
のあ「……その彼女は、アイドルになることを自ら選んだのでしょう?」
のあ「彼女自身、トップアイドルになりたいとも思っていたはず」
グラスの中の氷を指でつつきながら、彼女は言った。
P「それは……そうかもしれないけど」
のあ「頂点に立つまでに折れてしまったのは、貴方だけの責任ではないと思うわ」
その言葉は、静かでいて、暫く俺の耳にまとわりついて離れなかった。
P「だけど、限界を超えて無理をさせたのは、俺の責任なんだ」
P「トップアイドルでなくても、十分輝ける娘はいる」
P「いまとなってはもう、どうしようもないことなんだけど」
俺が夜道で涙を流した原因は、きっと今日会ったばかりの彼女が言ったことに、あるのかもしれない。
彼女がトップを獲らずしてアイドルを続けることを諦めたのは、なにも無理をしすぎただけじゃないということには薄々勘付いていて、
目指すべき頂点までの間に、信じられないほどの距離があっただけに過ぎないことを、痛感したのだと。
決して言葉にはしなかった俺の不安を、嗅ぎ取ってしまったんじゃないかと。
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