過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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◆FRtTimAs0A
[saga]
2016/03/25(金) 23:43:28.36 ID:Nlo6ISTLo
少しでこぼこした石畳の道を、足の痛みも、髪が乱れるのも気にせず、全力で走っていると頭の中は次第に空っぽになっていきました。
もう走れない。そう思った時、目の前にお肉屋さんの看板が見えました。なんと幸運でしょうか。
豚肉、二百グラム。手早く買い物を済ませます。
行きの三倍近い時間をかけて、息を整えながら道を進んでいきます。
家の前の橋まで来て、もう少し。ふと、激しい水流の音に気を引かれて立ち止まります。
「こことか、どうかな……?」
ぼちゃん。
私の手を離れる荷物は、どこに流れ着くのでしょう。
流れ着かなければいい。荷物も、私たちも。
この川の先に終点があるのならば、水面の枯れ葉のように同じ場所をくるくると、回り続けていたい。
そう。あの黄色と赤のもみじみたいに。
一緒が、いいな。
私が踵を返す前に、枯れ葉はどこかへ流されていきました。
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