過去ログ - 的場梨沙「アタシがオトナになったら」
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9: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:22:37.36 ID:GETe3jbrO



それから、レッスンとかいろいろ頑張ったおかげで、アタシは初めのころよりもずっとうまく踊れるようになっていた。
トレーナーは相変わらず注文をたくさんつけてくるけど、だんだんその注文が細かくなってきているのよね。
以下略



10: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:27:04.05 ID:GETe3jbrO
で、早速衣装を着せてもらったんだけど……

「ね、ねえ……これ、ちょっと出し過ぎじゃない?」

おへそを出しているのはいいんだけど……足の付け根あたりがだいぶ見えちゃってない? アタシこんなギリギリな服、今まで着たことないわよ。
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11: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:28:42.54 ID:GETe3jbrO
「梨沙なら着こなせると思って用意したんだが……」

「ていうか、怒られたりしないの? この露出」

「大丈夫だよ。仮に怒られたとしても、その時頭を下げるのは俺だけだ」
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12: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:29:20.79 ID:GETe3jbrO
ちなみにそのあと、プロデューサーにすぐ捕まって。

「離しなさいよー! おろせヘンタイー!」

「いいか。まずロリコンというのは――」
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13: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:31:50.57 ID:GETe3jbrO



そして、いよいよ初めてのライブ。アタシの、アイドルとしての本番がやってきた。

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14: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:33:25.17 ID:GETe3jbrO
「というか、あいつどこ行ったのよ。アタシがもうすぐ本番だって言うのに」

最近は毎日見ていた冴えない顔が、今に限って隣にいない。さっき、ちょっと他の人と話すことがあるって言って出ていったきり、まだ帰って来ない。
アタシを置いてきぼりにして……。

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15: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:35:20.68 ID:GETe3jbrO
「梨沙。ほら」

なんて考えていると、いつの間にかアタシの目の前には携帯の画面が。
そこに映っていたのは……え?

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16: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:37:36.50 ID:GETe3jbrO
「お疲れさま。本当によかった。お客さんも満足してくれたみたいだし」

歌い終わってステージから降りると、プロデューサーがいつもの笑顔でアタシを待っていた。

「へへ……だから言ったでしょ。アタシにできないことなんてないって」
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17: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:40:13.50 ID:GETe3jbrO



アイドルデビューを果たしたアタシは、それからライブや撮影の仕事をバッチリこなしていった。
やればやるほどファンは増えるし、パパやママもうれしそうに褒めてくれる。
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18: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:42:13.24 ID:GETe3jbrO

「夢があるのはいいことだ。うん」

「……笑わないの?」

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19: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/03/26(土) 02:45:15.53 ID:GETe3jbrO



――的場梨沙という子と出会ってから、気づけばひと月以上の時間が経っていた。
いきなり事務所にアポなしで押しかけてきた彼女。その容姿の良さと威勢の良さを買ってプロデュースすることにしたのだが……結果として、俺の勘は間違っていなかったと今は思える。
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