11:名無しNIPPER[saga]
2016/03/26(土) 23:08:03.92 ID:UWHCuqYeO
〜〜王の間(六年前)〜〜
王様「おお勇者よ、こうして会うのは半年ぶりじゃな」
幼勇者「はい! お久しぶりです」
王様「まずは十歳の誕生日おめでとう、と言っておこう」
幼勇者「ありがとうこざいます!」
王様「で、分かっておるとは思うが——お主には今日より魔王討伐の為の特別訓練を、住み込みで受けて貰う」
幼勇者「は! 心得ております!」
王様「屈強な兵士ですら音をあげる訓練じゃ。幼いお主にはちと辛いじゃろうが、これも平和のため。分かってくれ」
幼勇者「お言葉ですが、王様」
王様「ん、なんじゃ?」
幼勇者「俺と同い年の子供が既に三人。本日俺が受ける訓練よりも更に熾烈な訓練をこなしていると聞いております」
王様「ああ——そういえば、あの三人はお主の幼馴染じゃったか。訓練については他言無用と厳しく言っておったんじゃが……。人の口に蓋は出来んな」
幼勇者「彼らの付き合いが急に悪くなったので、俺が半ば強引に聞きだしただけです。しかし、王様。そんな些事はどうでもいいのです」
王様「と、言うと?」
勇者「彼らと同じ訓練を受けさせて欲しいのです。なんだったら、彼らの三倍の量の訓練だって容易にこなしてみせましょう」
王様「ほっほー。随分と威勢がいいのう。善哉善哉。おい、側近!」
側近「は!」
王様「勇者をあやつらの合同訓練に参加させてやれ」
側近「いや……しかし、初日からいきなりというのはあまりにも……」
王様「黙れい! 当人がやると言っておるのじゃから、やらせればいいじゃろうが!」
側近「……承知致しました」
幼勇者「ありがとうございます! 王様!」
王様「わしも主には期待しておる。励めよ」
幼勇者「は! 精進いたします!」
王様「うむ。では下がれ」
幼勇者「失礼しました!」
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