4:saga
2016/03/28(月) 16:42:05.40 ID:riDETHBsO
怪異____
いつもそこにあり、世界そのものでありながら、まっとうに生きている人間ならば意識して関わることもない、そんな存在。
しかし美しき吸血鬼と出会ったあの春休み以来、僕は怪異と出逢い続けた。
怪異に一度出会った人間は怪異を引き寄せやすくなると忍野は言っていたが、今回もその類の怪奇現象だろうか。
重みに関する怪異というと、戦場ヶ原が行き遭った重し蟹を想起させられるが素人の僕にはさっぱり見当もつかない。
もちろん解決策なんて都合のいいものはなおさらだ。
しかし怪異のスペシャリスト、忍野メメはもうこの町にはいない。
これからは自分で怪異たちとの折り合いをつけていかなければならないのだ。
まあもっとも忍野がいたところでこの場から動けない以上学習塾跡に相談に行くこともできないのだが……
それとは別に、ブラック羽川の時のように忍が助けてくれるということもあるかもしれないが、忍とは完全な和解には程遠い関係にある以上、気安く頼るわけにはいかない。
とりあえずしばらくは自分で解決する努力を尽くす他ないという結論に落ち着き、僕が全身に力をこめてもう一度体を起こそうとしたその時____
ほっそりとした指の感触がつうっと僕の背中をなぞった。
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